僕(梶谷守)のところに、ここ最近立て続けに同じような相談が届いています。
「『ラクマーチ』っていう副業に登録したんですけど、これって大丈夫ですか?」というものです。
話を聞いていくと、パターンはだいたい同じです。
LINEに登録して簡単なアンケートに答えたら電話がかかってきて、「完全無料」「後払いだから0円」と言われていたはずなのに、気づけば数十万円単位のサポート費用の話をされていた、と。
- 「これって普通のことなの?」
- 「もう後戻りできないんじゃないか」
そう感じている方が、思っている以上に多いんじゃないかと思います。
先に僕なりの結論をお伝えすると、これは副業トラブルの中ではかなり典型的なパターンです。
契約書に「返金不可」と書かれていても、勧誘のやり方次第では取消や返金を主張できる可能性は十分にあります。
ただ、時間が経つほど証拠は集めづらくなるので、「もう払っちゃったし」と諦める前に、早めに状況を整理することをおすすめします。
梶谷守「今回は、寄せられた情報をもとに、運営元とされる株式会社英(旧・株式会社メイル)の実態と、支払ってしまった場合にできることを、一緒に整理していきます。」
「無料」から「高額サポート費用」に変わるまでの流れ
寄せられた情報を整理すると、多くの方が同じような流れをたどっているのがわかります。順番に見ていきましょう。
きっかけは、副業を探してネットで検索したことだったという方がほとんどです。
比較サイト・ランキングサイトのようなページに辿り着き、その中の一つとして「ラクマーチ」が紹介されていた、というケースが目立ちます。
気になって開いてみると、まずはLINE公式アカウントへの登録を求められます。登録するとすぐに、年齢や現在の収入、稼ぎたい金額などを聞かれる簡単なアンケートが届きます。



「ここまでは、正直よくある副業サイトの流れと大きく変わりません。僕が気になるのはこの先です。」
アンケートに答えると、担当者を名乗る人物から電話がかかってきます。この時点ではまだ「完全無料」「後払いだから安心」という説明が続きます。
電話の中で、「本当に稼げるようになるには」という理由で、十万円台から、案件によっては数百万円規模の「サポート費用」の支払いを提案される、という流れです。



「『無料』から始まった話が、電話一本で一気に数十万〜数百万円の話に変わる——これ、副業詐欺のかなり典型的なパターンです。その場で決めず、一度電話を切って、誰かに相談する時間を作ってください。」
「これ、ラクマーチかも?」「株式会社英・株式会社メイルから連絡が来た」という情報をお持ちの方は、詐欺ゼロ運動代表・梶谷まで、LINEで教えてください。
運営会社の実態調査|商号を変え続けているのはなぜか
まずは、特定商取引法に基づく表記を確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売事業者 | 株式会社英(旧:株式会社メイル、旧:株式会社Bold) |
| 運営責任者 | 君嶋隆寿 |
| 所在地 | 〒115-0045 東京都北区赤羽1-7-9 赤羽第一葉山ビル4F |
| 電話番号 | 050-8896-2508 |
| メールアドレス | [email protected] |
この会社を調べていて、僕が一番引っかかったのは社名です。
令和6年10月に「株式会社Bold」として設立されたあと、令和7年11月に「株式会社メイル」、令和8年4月には「株式会社英」へと、2年足らずのうちに商号を2回変えているんです(登記情報の最新状況は、法務局等で個別にご確認ください)。
もちろん、社名変更そのものは違法でも何でもありません。
経営方針の見直しでそうするケースは普通にあります。
ただ、副業・情報商材トラブルを扱っていると、消費者とのやり取りが表面化しはじめたタイミングで社名を変え、実質的に同じ事業を続ける業者を何度も見てきました。



「こういう案件の裏側には、いわゆる『道具屋』と呼ばれる存在が関わっていることがあります。名義だけの代表者や、使い捨ての決済口座、追跡されにくい電話番号を外部から調達して、事業の実態を見えにくくする仕組みです。表に出てくる『サポート窓口』が、実際の意思決定者と同じとは限らないんですよね。」
「株式会社Bold」「株式会社メイル」時代に契約・相談した経験がある方の情報も、実態把握のためにぜひお寄せください。
よくある被害報告のパターン
正直に言うと、「ラクマーチ」や「株式会社英(旧メイル)」について、Yahoo!知恵袋や国民生活センターの公表事例のような、確定的な一次情報はまだ見つけられていません。
なので、この会社について「こういう被害があった」と個別の事例を断定的に語ることは、今の時点ではできません。
ただ、「完全無料」「後払い0円」をうたうこの手の副業案件では、共通して見られるパターンがあります。
- 「完全無料」「後払いだから0円」との説明を信じて登録したが、電話面談で数十万円規模のサポート費用を提案された
- 「今の収入では厳しいなら、消費者金融やカードローンからの借入も検討してほしい」と、借金をしてでも支払うよう促された
- 契約内容やクーリングオフ制度についての説明がないまま、口頭やLINEでのやり取りだけで契約(送金)が進んでしまった
- 費用を支払った後、当初説明されていたサポートが実施されない、または担当者と連絡が取りづらくなった



「もし今読んでいて『これ、自分と同じかも』と思う項目があったら、それは決してあなただけの特殊なケースじゃありません。次の章で、実際に当てはまるかどうかを一緒にチェックしてみましょう。」
セルフチェック|あなたのケースは当てはまりますか?
ここまで、「ラクマーチ」に絡む典型的な流れと、よくある被害のパターンを見てきました。
とはいえ、実際に自分のケースがどれくらい当てはまるのか、パッと見ただけでは判断しづらいと思います。
そこで、寄せられた相談の傾向をもとに、簡単なチェックリストを作ってみました。
「全部当てはまるわけじゃないから大丈夫」と思う方こそ、一度目を通してみてください。1つでも当てはまれば、それだけで「相談してみる価値がある」というサインになります。
- 「完全無料」「後払い0円」という説明を信じて登録・応募した LINE登録後、電話で十万円以上の費用の支払いを提案された
- クーリングオフや契約書面についての説明を受けないまま、支払い・送金をしてしまった
- 「借金してでも」「今契約すれば」など、急かすような説明を受けた
- サポート内容や成果の根拠について具体的な説明がないまま、「大丈夫です」「みんな稼げています」と言われた
- 費用を支払った後、連絡が取りづらくなった、または期待していた内容が提供されていない
1つでも当てはまったなら、それは契約の取消や返金を主張できる可能性があるサインです。
逆に言えば、当てはまる項目がゼロという方のほうが少ないんじゃないかと思います。
次の章では、なぜこれらが法的な問題になり得るのか、根拠を一つずつ整理して解説します。



「『自分は大丈夫』『たいしたことじゃない』と思っていても、後から振り返ると当てはまっていた、というケースは本当に多いです。特に、電話越しに『今契約すれば』と急かされた経験がある方は要注意だと思ってください。1つでもチェックが入ったなら、それは『気のせい』じゃありません。」
支払ってしまった場合の返金・解約の可能性
「もう払っちゃったし、契約書にも返金不可って書いてあったし…」
ここまで読んで、そう思って諦めかけている方もいるかもしれません。
でも、僕はまだ早いと思います。状況によっては、次のような法的な主張ができる可能性があるからです。
クーリングオフ
今回のような副業の勧誘が「業務提供誘引販売取引」に該当する場合、特定商取引法58条1項に基づいて、契約書面を受け取ってから20日間はクーリングオフによる無条件解除ができます。
「もう期間が過ぎているかも」と思っても、そもそも法律で定められた書面を受け取っていなければ、期間はまだスタートしていない可能性もあります。
消費者契約法に基づく契約の取消
「絶対に稼げる」「今より確実に収入が上がる」というように、根拠のない将来の利益を断定的に伝えられていた場合は「断定的判断の提供」に、「今契約しないと後がない」「借金してでも」というように不安を煽られていた場合は「困惑類型」にあたり、契約そのものの取消を主張できる可能性があります。
「返金不可」と書かれていても、あきらめなくていい
サイトや契約書に「返金不可」「返品不可」と書かれていても、それが法律上認められている取消権・解除権を不当に制限する内容であれば、その条項自体が無効と判断される余地があります。
「規約に書いてあるから」で終わらせる必要はありません。



「『規約に書いてあるから』は、業者側がよく使う言葉です。でも、契約書やサイトに書いてあることが、いつでも法律より優先されるわけじゃないんですよね。ここは司法書士や弁護士に見てもらう価値がある部分だと思います。」
支払い方法によって、取れる手段も変わる
- クレジットカードで支払った場合
-
カード会社へのチャージバック申請や、決済代行業者への異議申し立てなど、複数の手段を並行して検討できます
- 銀行振込で支払った場合
-
チャージバックのような制度はありませんが、振込先口座の凍結申請(振り込め詐欺救済法に基づく分配制度)や、内容証明郵便での解除通知など、状況に応じた対応が考えられます
こうした主張が実際に認められるかどうかは、契約時のやり取りの内容や証拠の有無によって変わってきます。
まずは契約書・LINEのやり取り・振込明細・広告のスクリーンショットなど、手元にある記録を残しておいてください。
相談するなら、どこがいい?警察・消費者センター・弁護士司法書士の違い
「詐欺かもしれない」と思ったとき、多くの人がまず思い浮かべるのは警察や消費者センターだと思います。
実際、僕のところにも「まず警察に行くべきですか?」という質問がよく届きます。ですが、目的によって向いている窓口は変わってきます。
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| 警察 | 捜査機関のため被害届は出せるが、被害額が小さいと捜査に至らないこともある。捜査段階での口座凍結が、かえって「返金」の妨げになることもある |
| 消費者センター(188) | 業者との返金交渉に対応してくれるが、担当者によっては交渉に不慣れで、不利な条件で和解してしまうこともある |
| 弁護士・司法書士 | 「できる限り多く返金する」という目的に特化して、内容証明郵便の作成、決済代行業者への異議申し立て、口座凍結申請など、状況に応じた手段を組み合わせて動くことができる |



「僕自身は弁護士でも司法書士でもないので、法的な判断はできません。ただ、これまでいろんな相談を見てきた立場から言うと、『とりあえず様子を見る』が一番もったいない選択だと感じています。」
【まとめ】一人で抱え込まず、早めの相談を
ここまで読んで、「自分の場合はどうなんだろう」と、少し不安になった方もいるかもしれません。
まず伝えておきたいのは、こうした案件に申し込んでしまったこと、支払ってしまったことは、決してあなたの落ち度だけが原因じゃないということです。
「完全無料」「後払いだから安心」という言葉を信じてしまうのは、僕は当たり前の反応だと思っています。だまそうとする側が、そう信じさせるように話を組み立てているわけですから。
一方で、証拠となるやり取りや振込記録は、時間が経つほど確認しづらくなります。業者側の対応(連絡が取れなくなる、口座が変わるなど)が進むほど、取れる選択肢もどんどん狭まっていきます。
「もう少し様子を見よう」と先延ばしにするより、不安を感じた今このタイミングで、一度、弁護士や司法書士に状況を整理してもらうことをおすすめします。
僕自身は弁護士でも司法書士でもないので、あなたの契約が違法にあたるかどうかを断定することはできません。僕にできるのは、寄せられた情報を記録して、必要な窓口につなぐことだけです。
それでも、誰かに今の状況を話すことから、次の一歩が見えてくることは多いと思っています。まずは、今日感じた不安を、誰かに話してみてください。



「一人で抱え込まないでください。僕でも、弁護士や司法書士でも構いません。話してみることで、意外と道は見えてくるものです。」
株式会社英(旧メイル)「ラクマーチ」に関する体験や情報をお持ちの方は、ぜひ梶谷のLINEへお寄せください。皆様からの情報が、次の被害を防ぐ大きな力になります。











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